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本物のスケーターじゃなくたってストリートファッションを楽しんでいいし、楽器が弾けなくてもロッカーのスタイルに憧れるのは自由! いい意味でファッションの持つ“フェイク感”を乗りこなすには、好きなものから何を抽出し、何と組み合わせ、自分と似合わせるかだ。
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拡来さん(25歳・フリーランスモデル)
ストリート感全開で、街中でもカッコよかったとKANADA氏も絶賛。モデルなこともあり、いろんな着地にトライできそう。
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オリジナルのカッコよさとフェイクのカッコよさというものが存在していて、どちらにもいい部分がある。“ストリート感”を例に挙げてみよう。僕らが日々雑誌でつくっているのは後者だ。本物のスケーターって、よく見ると特別おしゃれなものを着ているわけじゃないし、意図して自分をファッショナブルに仕上げているのでもないからこそ、一朝一夕にはまねできないカッコよさがある。“ロックテイスト”もしかり。ローライズを流行らせたのって、ロックミュージシャンじゃなくてエディ・スリマンだと僕は思っているからね。本物の持つカッコよさからセンスよくその匂いを抽出して洗練させたり、自分に似合うようアレンジできるのが、ファッションの持つポジティブなフェイク感だと思っている。特に東京は、異なる要素を融合させたMIXカルチャーが強いよね。拡来くんもまた、完全にファッションとしてのストリート感を自分のモノにしている男子。ストリートに生息している子ではないのにこのクオリティなのは、さすがモデルだ。そのベースがしっかりあるから、ちょっとしゃれたことをしてみたくなる。それは一見相反するテイスト同士の“ストリートモード”を成立させるということ。ただグランジ感のあるヘアにきれいな格好をさせてもつまらない。両者のよさが主張し合いすぎず、ひとつのスタイルとして成立したら、一段上のおしゃれ上級者だ。自分なりの“○○感”を確立できたら、人としての深みも増すと思うよ。
洗練されたストリート感をワンレンで表現
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ウルフをワンレンのストレートに。元のスタイルもすてきだけど、彼のストリート感にノーブルさを足してみたくなった。いきなりスパンと衿足をとるのではなく、1㎝、2㎝…と切りながら最適解を模索。このくらいそぎ落とした中でも、ストリート感が残るね、彼は。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Tomohiko Sawasaki[S-14]
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