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ジャンルレスでノーカルチャーなムードが若い世代のおしゃれの主流である昨今、ヘアにおいてもカテゴライズできないものが今後ますますストリートにあふれるのでは、と考えるKANADA氏。そのなかで、いかにただの無造作ではない洗練されたカッコよさを極めるかが重要!
渡辺 史さん(20歳・学生)
ファッションを勉強しているだけあり、彼は一歩踏み込んだ自己表現がうまい、とKANADA氏。さらに洗練させたい。
コンセプトになる年代や人物、カルチャーを立ててヘアの解説をすることが多いけど、今回は“何系でもない”ものをめざした。でも本当に何もないわけではなくて、すごく魅力的なのに“どこにも属さない”というヘアスタイルをつくってみたかった。そのためには、そんな絶妙な世界観に耐えうるモデル探しが重要だけど、渡辺くんはそれを地でいってる。茶髪の縦ロールにトレンチの男子、街で見たことある? 一般的なファッションルールを超えているし、どんなキャラクターなのか、プロファイルできない感じが目立っていた。ただ、もう少しあか抜けさせることはできる。彼をキーにして2023年の新しいヘアを提案したい。ロン毛のウエーブヘアと聞くと、フェミニンな感じを思い浮かべる人が多いと思う。もしくは、グラムとか、70年代のボヘミアンとか…。でもそういうレトロ方向のアプローチではなく、ストリートでもモードでも勝負できる、ジャンルレスな着地にしたい。まず、前髪は彼のアイデンティティだが、重めにしなくても存在感は出せることを教えてあげたい。
パーマもしっかり残っているから、さらに巻きが強いと少々くどいため、ニュアンスを残しつつ伸ばした。かなりそぎ落としたけど、つかみどころのない感じは十二分に残っているし、ただの無造作とはひと味違う抜け感も生まれた。カテゴライズできないけど、なんかカッコよくて新しい。そういうものを感覚的につかめるようになったら、もっと自由にヘアを遊べる。
お手本がないからこそ、試行錯誤を!
茶髪のロン毛を洗練させて見せるのはなかなか難しい。パーマはくせ毛のようなニュアンスにとどめ、前髪や毛先をライトにすることで軽やかな隙間を意図的に生んだ。もっと伸ばしてみるとか、メイクを取り入れて見せ方を変えるなど、試行錯誤の余地がまだありそう。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Tomohiko Sawasaki[S-14]
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