▼ WPの本文 ▼
withマスク時代の顔がなかなか見えない昨今、ヘアとファッション、そして両者のバランスが語るその人らしさがより重要になっている。こだわりの見えるヘアをしている人は、たとえ顔が見えずとも魅力的。現代のファッションとうまくマッチさせて、よりすてきな人になろう。
村山 徹さん(25歳・ミュージシャン、会社員)
下北沢でKANADA氏が「カッコいい!」とハント。会社員と音楽活動を両立しており、ヘアにも音楽を感じる。
モデルハントをするのが難しいご時世だ。みんなマスクをしていて顔がほぼ見えない。そうなってくると、その人がどんな人かというのは何で判断するのか。“雰囲気”といっても、それっていったい何なのか。実際にいつも街に立っている僕が思うのは、立ち振る舞いも大事な情報ではあるけれど、つくづくヘアとファッションのバランスに尽きるなということ。今回村山くんを選んだのも、トータルで見ると今っぽいのに、ヘアだけがすごくクラシックでそのバランスに興味を持ったから。マッシュではあるが、60〜70年代の重めなシルエットをしている。今のマッシュは、70年代後半〜80年代頃に確立された技法からきている。それ以前のマッシュがなぜ重いのかというと、それがカッコいいからというよりは、軽くするのが技術的に難しかったから。ブラントカットが主流で、セニングというものがなかったから必然的に重くなったのだ。そういう歴史を知るとなかなか面白いでしょ。
話を聞くと彼は音楽をやっていて、オルタナを好むという。まさにそんなキャラクターを体現したヘアだし、あるスタイルの進化前の段階をあえて選ぶというのも納得。ただ、そういったものをちゃんと“カッコいい”に着地させるには、ある程度の現代的な軽さは必要。今の子ってデフォルトがミックスカルチャーの中で生きているから、そういうハズしは僕らよりもうまいかもしれないけどね。ほんのちょっと、“軽やかなバランス”をとるだけで変わるよ!
現代にマッチするのに不可欠な“軽さ”
重いマッシュは彼のアイデンティティなため、大きくシルエットを変えずにほんの少し軽やかさを出すことに。緩やかなパーマをかけ、ワックスで動きをつけた。眉はあんまりいじらずに、無造作な感じを意識して全体を仕上げてほしい。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Yasuki Nakamichi
▲ WPの本文 ▲