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自分のヘアスタイルに、名前がないといけないと思ってない? 美容室で「ウルフでもマッシュでもないんだけど、なんて説明したら…」と、なりたいヘアをはっきり言えなくて、困った経験は? そんなのは全部問題なし。自分にしっくりくる“中途半端さ”を愛する者こそ、理想のスタイルが手に入る!
染谷銀士さん(19歳・学生)
“人と違ういい雰囲気のロン毛”として、KANADA氏の目に留まった染谷くん。どんなふうにブラッシュアップする?
美容室でオーダーするとき、何て言う? 「マッシュにしたい」「ウルフはキープで」って感じで、名前のついた髪型を挙げる人が多いんじゃないかな。実際ヘアカタや街を見ても、はっきりデザインされた髪型が多い。イメージが伝わる共通の言葉があると、情報として発信も受け取りも簡単だから便利だし、美容師さんもわかりやすくて助かる。その代わり、細かいニュアンスが失われるもったいなさも。例えば「衿足は長いけどウルフほどではなくて、ミディアムでもロングでもなく、重くも軽くもない感じにしたい…」と思うことは間違ってない。むしろこだわりがあってカッコいい! いい意味での“中途半端さ”を楽しむ余白は残したほうが、通り一遍でないヘアが手に入る。最近は下北沢でモデルハントをしているが、名前のついた髪型に自分を合わせている子が多い印象だ。染谷くんは、ウルフベースに見えて衿足がかなり重め、でもボブの名残もありつついい感じにいろんなスタイルの中間をいってる。新しいのか古いのかもわからないけど、彼のポテンシャルも相まってカッコいい。でもさすがに伸ばしっぱなしすぎるから(笑)、どうせなら“スタイルのある中途半端”にしたらもっとよくなると思い、“70’sと80’sの中間ヘア”を提案した。
70年代の重みと色気のあるボヘミアンなシルエット、80年代のアイドル感のあるロン毛、何とも言えない中途半端さ…これ、オーダーの仕方は難しいかもしれないけど、彼に似合ってるでしょ!
“曖昧”“中途半端”をもっと愛していこう
ロン毛もトレンドになりつつあるけど、より自分に似合うロン毛を見極める必要がある。彼の場合、本人が選択しているように重めは似合っているのと、すべてにおいて曖昧なバランスがいいからそこを生かすようにした。衿足を顎くらいに設定しつつ、アウトラインは中途半端に。髪のクセの感じもニュアンスのある質感も、すべて生かした。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Hiroki Sato
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