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下北沢で、ひさびさに街頭でのリアルハントに立ったKANADA氏。カッコいい子は多いが、抜きんでてキラリと光る子を見つけるのは難しいとか。そんななか休憩に入ったコンビニで、“かなりカッコいい店員”がいたのだという。KANADA氏が出会った、制服からも個性がにじみ出ていた逸材とは…?
藤井慎哉さん(22歳・学生)
KANADA氏に「この連載で制服の子に声をかけたのは初めて。ひと目ぼれ!」と言わせるほど、スタイルが確立されている。
下北沢に集まる若者はおしゃれを頑張っている。だけど奇抜という意味でなくオリジナリティが突き抜けている子が見つからない。今日はだめかな、と思いコンビニに入ったら、そこに個性的な店員が。制服を着ているしマスクで顔はほぼ見えないけど、髪型や雰囲気、レジでの短いやりとりで「この子、パンクだ」と感じた。彼の昼休憩に話をしたら、古着屋でも働いており、やはりパンクミュージックが好きだそうで、ラフなチノパンとトレーナーという格好からもにじみ出るカッコよさが。気合を入れ下北に来ている駅前の子たちと違うのは、そこで毎日のように働いているからこその余裕かもしれない。気負わず“自分らしさ”に比重を置けるのだろう。ロン毛が増えているという話をここ数回していたが、マスになるにつれカルチャー色は薄くなる。
でも彼の前髪を見たとき、ロン毛本来のカッコよさをすべて打ち消す「ぱっつん」にしているのがマス受けへのアンチテーゼを感じて痺(しび)れた。だが、これ以上わかりやすくパンクを足していくと、かえって内面の本質的なパンクが失われそうだな、と思い、過度なエッジをそぎ落とし、洗練された着地を提案することに。それは、少しの品をミックスすること。パンクと品って相反するようだけど、社会に溶け込んでいるように見えて、どこか違和感があるのは最高に粋。強烈なぱっつんから、軽やかで隙のあるバングに。個性は中身に宿る。それをどのくらい表に出すかを調整するのが上級者!
抜けを出してもスタイルは失われない!
エッジを取り軽やかさを加えると、カルチャーが薄くなるのではと心配する子もいるだろう。でもそうじゃない。やりすぎるとかえってレプリカみが出てしまうから、少しの現代感を入れるのはおすすめ。彼だって、コンビニの制服でパンクに見えるポテンシャルがあったんだから、無問題!
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Yasuki Nakamichi
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