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今月は、街にあふれ返るセンターパートに食傷ぎみのKANADA氏が、「個性のある子を紹介したい!」と見つけてきた、強烈なピンクヘアの男子が登場。トレンドやモテ、無難さよりも、その人の“味”を引き出すことの面白さとは?
大茄子川淳史さん(23歳・スタジオマン)
寡黙なキャラクターながら、自分の個性を突き詰め、表現しようというストイックさをヘアから感じる!
センターパートのあまりの多さに、ちょっとイラッとしている(笑)。街の男子がみんな似た髪型で、ここまでくると少し怖い。それぞれいい個性を持っていて、100人いたら100色のよさがあるのに、選択肢がひとつしかなくていいのだろうか。ただ、年齢も見た目も職業も違う、振り幅のある人たちみんなに似合うということだから、そりゃ便利なヘアだよなとも思う。僕はこの連載を読んでくれている子たちは、大前提として“人よりカッコよくなりたい”っていう思いがあると信じて話している。トレンドを追って安心できる人のことは放っておいていいと思うけど、なんか恥ずかしくなっちゃう、そういう子に向けては「誰にでも似合うものを選んでいくんじゃなくて、何が来ても自分のものにできる人になって」と伝えたい。今回の彼はかなり個性派だし、ここまでのことをできる人は少ないだろう。でも、すごく自分の味を大事にしているのが感じられて“あぁ、こういう子をこの連載で紹介したいんだよな”と思えた。
カラーヘアをやっている人も多いけど、彼の場合はどぎついピンクがレアで、黒の入り方も独特。きれいに染めようというより、彼個人を見てくれるいい美容師がついてるんだろうなということまで感じられる。そうなると僕がやることは少しだけ「洗練させる」ということくらい。よりファッションが楽しくなるようハサミを入れてみた。トレンドやモテでなく、人の味というものにスポットを当てたヘアにみんな出会えるといいね。
せっかくのピンクヘア、主張を強めても!
染めっぱなしでスタイリングしていないのもカッコいいけど、もっといろんなファッションを楽しむために、いい感じに「仕上げる」というプロセスも引き出しの中にあるといい。寝てしまいがちな直毛を立たせるため、短くカットしてパウダーワックスでドライに仕上げた。これをウエットにするとさらに創作感が強まるが、お好みで。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Ryosuke Hoshina Stylist:Yasuki Nakamichi
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