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自分のスタイルを見つけるには、好きなものの背景にあるカルチャーを掘り下げることが大切。でもそういうものが見つからなかったら? ならばとことん、似合うものを見極めるというアプローチもアリ。例えばせっかく好きな服があるなら、もっとすてきに着こなせる自分になるように。
角 雄琉さん(17歳・学生)
「この年齢でここまで似合うものを見つけているなんて」とKANADA氏絶賛。自分と向き合うことでスタイルは生まれる。
なりたい自分になるためには、ヘアスタイルひとつとっても、カルチャーを持つことが大切という話をしてきたが、若いときに「自分にはこれだ!」というものに出会えるかは、その人のいる環境によるところも大きい。いろんな情報にアクセスできる機会や、面白いことを教えてくれる人がいるか…など。だから難しいと感じる人もいるだろう。なら単純に、どうしたら着たい服が似合う自分になれるか、と考えるといい。角くんは17歳と若く、本人はノーカルチャーな都会っ子だけど、自分に似合うものを見極めた結果、好きな古着ともマッチする「ロン毛」にたどり着いた。一般的にはこの年齢の子がするにはハードルの高いヘアだけど、気負って見えないし、ものすごくカッコいい。感覚的にやっているようで「ロン毛が嫌いな人には別にモテなくてもいい」という意志の強さもある。そんな佇まいが見た目からも感じられるから、見事だ。だからせっかくのスタイルのベースはキープしたまま、彼ひとりでは思いつかなそうな「ワンレングス」を提案した。ちょっとモードで、すでにある彼らしさの中に別の可能性が加わったように思う。
僕は本来、ヘアづくりというのはその人のキャラクターを明確にして、新たな魅力を見つけることの手伝いだと考える。流行ってるからって彼にマッシュを提案したら台無しだよね(笑)。好きなものがなくても、どうしたらもっと好きな自分になれそうか、例えば持っている服を見返すところから始めてみては。
モードなエッジィさを生むワンレングス
ロン毛を選択した本人の“見極め力”に敬意を表し、レングスはほぼ変えずシルエットの提案を。重さと潔いカットラインが命のワンレンで、ナチュラルさより個性を出すことを選択。エッジをぼかすのが主流のヘアトレンドの中、かなり新鮮に映る。KANADA氏いわく「世界一カッコいいワンレン男子・『ドラゴンボール』の17号がイメージ!」
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Yasuki Nakamichi
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