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人とは違う個性を出したい、印象に残る人になりたいと思ったときに、パンチのあるモチーフを立ててそれに近づくというのはアリだ。ただ、見た目の印象だけでなんとなく取り入れるとそこまで効いてこないことも。それに、今よりカッコよくならないと意味がない。消化力が問われる!
永田大地さん(22歳・学生、モデル)
最近モデル事務所に所属したという永田さん。個性のあるモデルになるべく、KANADA氏のアドバイスを仰ぎにやってきた。
この連載を読み込んでいて、「出てみたいです」と僕にDMをくれた永田くん。人気モデルになりたくて、他の人とかぶらないことを第一に考えている。その結果、80’sのUKパンクにたどり着いた。どうしたら人の印象に残るのか悩み個性派をめざしたそう。ただ、少し惜しいと感じた。人と違う自分でいたいというモチベがあるのはすてきだけれど、何かをモチーフにするときはそのカルチャーを理解して、自分なりに消化しないといけない。彼はミュージシャンではないから、うわべだけをなぞったのでは、イミテーションっぽく見える危険がある。厳しく聞こえるかもしれないが、今や金髪は珍しくはない。パンクが好きな子もたくさんいる。そのうえでそれを個性という名の武器にするには、やはり一歩レベルを上げないと。まず、しゃれたニュアンスカラーでなく、脱色しっぱなしのドライな金髪というのはパンク的に理解できる。でもそうすると、パッツンにした前髪をナチュラルに流すっていうのはちょっとミスマッチ。そこで、全体にかなりハサミを入れてシルエットをシャープにした。
実際にライヴハウスを出入りしている子たちのバイブスとは違うから、彼自身が消化できるようなリアリティを出すため、ボリュームを抑えてシティ感のあるクリーンな軽さも出した。コンプレックスはパワーになるし、平凡な自分が嫌で人とかぶらないものを選ぶのも上等。大事なのはそこから先、いかに乗りこなすかってこと。もっとカッコよくなれるよ!
どんなスタイルでも現代感は必要!
クラシックなモチーフを踏襲したとしても、今を生きるキミが再現する意味=現代感のミックスが加わったほうが、よりしっくりなじむ。パンクのワイルドさは残しつつ、カットラインはモダンに。そうすることで、今の服ともうまくマッチする。
KANADA PROFILE/メンズノンノ本誌はもちろん、数々の広告やショーで活躍するヘアアーティスト。俳優やタレントからの信頼も厚い。ヘアそのものだけでなく、コーディネートとのバランスも考えたトータルでのプロデュースを得意とする。
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Go Tanabe Stylist:Masanori Takahashi
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