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2022年に日本上陸を果たしてから、日本国内にもファンを増やし続けるフレグランスブランド『メゾン クリヴェリ』。伊勢丹新宿店で行われた『サロン ド パルファン2022』では、完売する製品があったほどの人気ぶりだ。
そんな誰をも魅了する香水はどのようにつくられているのか――創始者であるティボー・クリヴェリ氏に取材をした。メンズノンノ読者へおすすめの香りもピックアップ。ぜひチェックして!
未知の香りを求める人へ。
新たな香りとの出会いを
提案するブランド
――まずは、多くの人を虜にしている『メゾン クリヴェリ』について、どんなフレグランスブランドなのか教えてください。
「『メゾン クリヴェリ』がターゲットにしているのは香水の探検者とでも言うのでしょうか。これまで体験したことのない香りを求めている人、個性的な香りを求めている人に響く香りを追求しています。そのうえで、香りをクリエイションする際にキーワードにしていることが4つ――サプライズ、オーセンティック、冒険心、共感覚。この4つをベースに、香りを構築していきます」
――日本上陸は一昨年でしたが、世界ではどのくらい展開されているのでしょうか?
「今は、約40カ国で展開しています。手に取ってくれる方々は男女問わずさまざま。もともと、ユニセックスな提案をしていますが、愛用してくれている人のことを考えても、私たちの香りはユニバーサルであり、普遍的でなくてはならないと考えています。性別も、国も、文化も、あらゆる違いをも超越する普遍的なフレグランスブランドを目指したい。そういう意味でも、メンズノンノの読者のみなさんとは、感性が合うのではないかと思います」
――ぜひ、メンズノンノ読者におすすめの香りを教えてください!
「おすすめしたい香りは3つ。1つ目はローズ サルティフォリア(写真左)。『メゾン クリヴェリ』の香りは私の人生の、ある一瞬の思い出がもとになっているのですが、これは、海辺を散歩していたときに鼻をかすめたバラの香り。海辺の男性的なイメージと、バラの女性的なイメージを、岩塩で覆われた海藻とみずみずしいバラのコントラストで表現しました。2つ目はアブサン ボレアル(写真中央)。北極のオーロラを見ながらアブサンという強いお酒をショットで飲んだときの香りと、視覚的なイメージを1つに。冷たいアルテミシアと温もりのあるムスクで表現しました。最後はサンタル ヴォルカニック(写真右)。活火山を訪れたときの情景と飲んでいたコーヒー、そこで燃えていたサンダルウッドの香り。その経験を、スパイシーなコーヒーの香りと、温かみのあるサンダルウッドに重ねました」
――どれもその情景が目に浮かぶようです。
「ありがとうございます。実際に体験したことがベースだからか、たくさんの方に共感してもらっていますし、好評です。自分の中で強く感じたことを香りで表現しているので、みなさんにもそれが伝わっているのだと思っています」
流行にとらわれないものづくりが
人々の心を掴む
――『メゾン クリヴェリ』はトレンドにとらわれないブランドだとは思いますが、ティボーさんからみて、昨今の香水のトレンドはどのように感じていますか?
「ナチュラルなムードから一転、長時間香りが続く、賦香率の高いものに人気が集まっているような気がします。また、ニッチフレグランスや、私たちのようなアーティスティックフレグランスもここ数年で注目されるようになってきたと思います」
――アーティスティックフレグランス、まさに『メゾン クリヴェリ』にはぴったりな表現ですね。
「新しい香りをつくるときにはいつも、そのイメージをまとめたムードボードを用意してパフューマーに共有します。私の中にある体験や記憶を写真だけではなく、音楽などを交えることも。あとはディスカッションを繰り返して形にしていきます。製作期間は設けず、納得のいくものができるまでこだわります。その製作過程はまさに、アート作品をつくる過程と似ているような気がします」
――新作の『チュベローズ アストラーレ』はどのくらいの期間で完成しましたか?
「だいたい半年くらいだったと思います。毎回、異なるパフューマーに依頼しているので、要する時間も異なります。納得のいくものをつくるための時間なので、どのくらいの時間がかかるかは重要ではありません」
――『チュベローズ アストラーレ』はどのような体験から着想を得た香りですか?
「銀河を眺めているときに、流れ星が視界に入り、そのときにふわっとチュベローズが漂ってきたんです。そのときの記憶を、チュベローズのフローラルな香りとなめし皮のレザーの香りで表現しています」
次はどんな体験を共有してくれるのか?
香りのバックグラウンドまで楽しみな
唯一無二のブランド
――どの香りも素晴らしいシーンから着想を得ているようですが、いろいろな体験をされてきたのですね。
「いろいろな国で暮らしてきたことが大きく影響していると思います。生まれたのはフランスですが、大学卒業後はシンガポール、中国、香港、インドネシアと、アジアで10年にわたって暮らしました。香りは記憶を呼び覚ます力が強いので、遠い昔のことであっても鮮明に情景が浮かび、新しい香りのインスピレーションに」
――次はどんな体験が香りとして表現されるのか楽しみです。日本での体験が香りになることも今後ありえますか?
「来日するときはイベントや仕事で忙しいからまだ考えられてはいないけれど、いつか、日本の緑豊かな森や山に行けることがあったら、素晴らしい体験ができそう。そのときはまた、驚きを味わえる香りを紹介させてください」
問い合わせ先
ブルーベル・ジャパン 香水・化粧品事業本部
TEL:0120-005-130
(10:00〜16:00 ※土、日、祝日を除く)
公式サイト
Photos:Takahiro Idenoshita Text:Mariko Urayasu
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