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2013年から伊勢丹新宿店で開催を続け、今回で12回目を迎える香水の祭典「サロン ド パルファン」。今年登場する数多の香水の中から選りすぐりのものを、メンズノンノモデル・樋之津琳太郎とエディターが実際に試してきた!
「サロン ド パルファン」って何?
日本ではまだ未成熟であったフレグランスにいち早く注目し、2013年から毎年開催されている「サロン ド パルファン」。今年も伊勢丹新宿店 本館6階 催物場とメンズ館1階を起点に様々なフロアで展開される日本最大級の香水の祭典は、このために全国から駆けつける人もいるほど熱烈な支持を集めている。
今回はその中から、今年メンズ館で展開されるフレグランスに注目。数多くのラインナップのなか、メンズにおすすめの8本を厳選し、実際に試してご紹介!
サロン ド パルファン 2024
メンズにおすすめの香りを
一足先にお試し!
昨年のレポート記事に続き、今年も会期前にプレスルームにお邪魔し、注目の8ブランドをお試し。バイヤーさんから直接解説を聞けるという、またとない機会にワクワクが止まらない樋之津。ブランドの背景を知ることで、香水選びはもっと楽しくなる!
樋之津 1年待ってました!「サロン ド パルファン」! 去年の記事もSNSのフォロワーさん、友人などから反響があり実際に買いに行ったというメッセージももらいました。この1年、メンズノンノの企画でいろいろな香水を試す機会が多かったので、前回とは何か違った感じ方で皆さんにお伝えできたらなと思っています。
バイヤーさん 楽しみにしてくださりありがとうございます! 年々スケールが大きくなっているので、新しい香りに出会えることは間違いなしです。今回は伊勢丹新宿店 メンズ館1階コスメティクス・プロモーションで展開されるブランドから、特に試していただきたい香りを8つピックアップしました。
樋之津 ソリッドなデザインのボトルが多くて、見た目からもメンズ館ならではの雰囲気がしています。見るからにかっこいいですね。
バイヤーさん ありがとうございます! 今期のテーマは「本能」です。お客様が香りというものを、自身の感性のおもむくままにお買い物できる場を提供したいという思いから、今年はこのテーマにしています。メンズ館ではそれにもう一つ「かっこよさ」というキーワードをプラスして、メンズ館を訪れるお客様の琴線に触れるようなアイテムをセレクトしています。
樋之津 最近はアクセサリーのように香水をまとう人も増えてきていますよね。
バイヤーさん 香りもファッションと同じような感覚で選ばれる方が多いので、見た目にも洗練されたアイテムを多くライナップしています。“なぜこういうボトルデザインなのか”など、サロン ド パルファンでは、ブランドの背景、調香師の考えるテーマまでを詳しく知れるので、ぜひ香水沼の入口に踏み込んでみてください。
樋之津 どのブランドも一つ一つ背景を知っていくと、香りの感じ方も変わってきますね。第一印象でこの香りが好きと思ったら、どんどん深掘りしたくなってしまいます。
バイヤーさん もちろん最初の印象で香りを選ばれる方も多いのですが、香りやブランドの背景がお客様自身のバックグラウンドと結びつくことで香りの感じ方が変わり、購入につながる…なんてこともあるんです。
樋之津 香りの選び方って本当に沢山あるんですね!
バイヤーさん そうなんです! ひとつの選び方に縛られなくても本当に自由に楽しめるのがサロン ド パルファンなんです。今回も調香師を招いたトークショーや、調香体験など、香水を深く知れるイベントが盛りだくさんなので、ぜひ樋之津さんも会期中に遊びに来てください。
樋之津 もちろん行きます! 自分の“本能”にしたがって自由に色々な香りを試したいと思います。今回の8ブランドは僕からもかなりおすすめできるので皆さんもぜひ参考にしてみてください。
大注目の8ブランドを
\ コメント付きで一挙紹介! /
「サロン ド パルファン 2024」で
メンズにおすすめな香水 8選
樋之津やエディターが実際に試した香りをコメント付きで紹介。心から好きと思える香水と出会う参考にしてみて。
1.ジョラム・ストゥディオ
GORSELAND
どんなブランド?
多くのブランドから依頼され調香を手がけていた2人の調香師が、自らのブランドとして2019年からスタート。ブランドのベースであるスコットランド由来のものを始め、世界中から最高級の香料のみを用いて、こだわりを持って作られている。
どんな香り?
スコットランドの民俗や自然にまつわる神秘的なストーリーを香りで表現したコレクションのひとつ「GORSELAND」。柑橘系や乾いたフローラル系の雰囲気で入りつつ、パインやココナッツのようないわゆる夏のクリーミーかつ柔らかい香りが顔を出してくる。晩春から夏にかけてのエディンバラの空気感、街の陽気な雰囲気が表現されている。
\ 試してみた! /
「今までにあまり試したことのない香りでした! 柑橘系な印象から始まり、ココナッツやバニラのような柔らかさ、パインのジューシーさも徐々に登場するのに、いわゆる南国!といった香りではないという不思議体験。一言で何系の香りと説明できないのだが、様々な花を用いたスッキリとしたフローラルな香りは、日々にワクワクというスパイスをプラスしてくれそうです!」(エディター川上)
2.ミッドナイト
オードパルファム ミッドナイト
どんなブランド?
シンプルな成分のみを使用したスペイン発のナチュラルスキンケアブランドとして2019年からスタート。初のフレグランスコレクションとして発表した「カサ・パブロ」は、記憶の海に浮かぶ、半分想像で半分現実の島の名前がつけられている。全4種類の香りは、1日を形づくるリズムのなかで、異なる時間帯、異なる瞬間の海辺の風景を思い出す。
どんな香り?
「オードパルファム ミッドナイト」は、その名の通り夜中の瞬間を思い出す香り。かすかにスパイシーなミネラル感ある香りに、いちじくの葉でどこかさみしげな余韻をプラス。昼間の喧騒が過ぎ去った真夜中の海辺に佇む情景が思い浮かぶ。全体的に、潮っぽさなどマリンなテイストがありつつもウッディにまとまっているので季節問わずまとうことができる。
\ 試してみた! /
「香りでここまで情景が広がるものなんですね! いちじくの香りって有名なものも何個かあると思いますが、それらとは全く違う印象。フルーティさやジューシーさを表現しているのでなく、余韻としていちじくを持ってくるでどこか儚げなニュアンスが足されています。定番ではなく自分の個性としてフレグランスをまといたい人におすすめです。」(メンズノンノモデル樋之津)
3.パリジャン ムスク
オードパルファム
どんなブランド?
創設者でもあり、調香師でもあるオーレリアン・ギシャールが、メインとなる自然由来の香料それぞれの特有の質感や最も美しい側面を見せるために、高い調香技術で直接的かつ分かりやすく仕上げている。自身で農園を営み、香料を栽培するなど、なるべく自然由来のもので香りを作ろうというヴィーガン処方のもと、クオリティの高いフレグランスを生み出しファンも多い。
どんな香り?
「パリジャン ムスク オードパルファム」は、近年は合成香料が使われることが多いムスクを天然香料のみで再現するという、調香技術の高さが伺えるアイコニックな香り。植物性のムスクである「アンブレッドシード」をメイン香料に、シダーのウッディさやフィグリーフのフレッシュな果実感などが上手く調和し、センシュアルなパリの情景を表している。香りとしての深みややみつき感はもちろんあるのだが、植物由来の原料だからなのかずっと香っていたくなるような穏やかさも感じることができる。
\ 試してみた! /
「調香師 レリアン・ギシャールの技術を存分に感じることができる一本。それぞれがメインを張れるフィグやシダーが、ここではムスクという香りを生み出すためのキーとして機能しています。ミドルノートから次第に穏やかな表情になり、ずっと香っていたくなるフレグランスです」(メンズノンノウェブ編集長丸山)
4.オブヴィアス
アン ムスク
どんなブランド?
パリのマレ地区にあるニッチフレグランスショップのファウンダー、ダヴィット・フロサールが2020年秋にローンチ。心地よい時間を過ごす時にまとって欲しいという思いから目指したのは「白いTシャツのような香水」。シンプルだけど上質、かついつでもまとっていたいものをテーマにしている。ニッチフレグランスとしては手の届きやすい価格帯も魅力だ。
どんな香り?
ブランドの目指している「白いTシャツのような香り」を最も体現しているのがこの「アン ムスク」。トップはベルガモットやジンジャーのスッと鼻をなでるような優しい香りがするのだが良い意味でフラットに香ってくる。色で例えるならまさに白。ヴェチパーやガルバナムのような大地や草木を感じる香りが、ムスクにグリーンでフレッシュな印象をプラスしている。
\ 試してみた! /
「これを自分の香りにしたい!と、試した第一印象で思いました。何か特徴的なアクセントを作ろうとした香りではなく、本当に白のTシャツのようにいつでもまといたい定番名品といった印象です。優しい香りがなでるように肌に馴染んで行くので、自分自身の香りと重なって“香水”の香りが“僕”の香りになる。つける人によって香りの感じ方が変わると思います。みなさんも実際につけてみて、そこで感じた香りをぜひ教えてほしいです」(メンズノンノモデル樋之津)
5.アトリエマテリ
ナルシスタイジ
どんなブランド?
香水、建築、デザインに精通しているヴェロニク・ル・ビアンが2019年に創設。素材の本質を生かす、という考え方が香りや香水瓶にも反映されている。建築にも詳しい彼女が生み出した“Less is More”の現代的美学を採用したボトルからも、一切の妥協のないクリエイティブがうかがえる。
どんな香り?
香水にはそれぞれ特別な香料が使用されており、今回紹介する「ナルシスタイジ」にも、高品質の珍しい野生のナルシス(水仙)の花が使われている。香りに高級感をもたらすと言われている華やかなナルシスの香りだが、あえてそれを全面に出さず、レザーやムスクなど少し無骨な印象の香りをベースにしたところが特徴。華やかさと落ち着きの両面を感じ、フローラルを新しく再定義してくれる一本だ。
\ 試してみた! /
「このボトルデザインかっこよすぎませんか? コンクリートを使用したキャップもまるで深海のようなブルーガラスのボトルも何をとっても美しいです。しかもそのボトルからこんなに華やかな香りが。高級感あるナルシスの香りの華やかさは残しつつも派手さはない絶妙なバランスの調香技術でジェンダー関係なくまとえると思います。」(エディター川上)
6.セルジュ・ルタンス
ロルフェリン
どんなブランド?
香水・化粧品・映像など様々な分野で独自の美を生み出し「フランスの知性・哲人」とも称されるセルジュ・ルタンスが手掛ける香水ブランド。流行や時代に左右されない独自の美を追求した香りはファンも多く、男女問わず愛されている。
どんな香り?
セルジュ・ルタンスでも定番の香り「ロルフェリン[灰の乙女]」は、伊勢丹新宿店でも長く愛されるロングセラー。お香の香りをムスクで下支えしているというシンプルな作りなのだが、どこか耽美で物悲しい雰囲気をまとっているのが実に特徴的。お香の深く包み込むような香りにどっぷりとつかりながら、セルジュ・ルタンスの美学をぜひ感じとって欲しい。
\ 試してみた! /
「インセンス、ムスク、カストリウムとシンプルな構成でいて、美しさと儚さを感じる絶妙な調香にセルジュ・ルタンスの美学を感じます。これからのシーズンにもぴったりな深い香り。素敵なアウターと合わせてまといたいです」(メンズノンノウェブ編集長丸山)
7.トバ パルファン
インドレンス
どんなブランド?
香港を拠点とするアーティストのJasper LiとAdrian Yuの2名が2021年から始めた比較的新しいフレグランスブランドが日本初上陸。ファッション性に富んだハイクオリティな香りは、香水の本場ヨーロッパでも高評価。元画家であるJasper Liは香水を芸術作品であり表現方法であると考えており、画家ならではの抽象的な表現を取り入れた香りは唯一無二とも言える。製造はフランス、販売は欧米のみといった中、今回アジア初の出店。この特別な機会にぜひ体験して欲しい。
どんな香り?
“内なる自分を解き放つ”がテーマの「インドレンス」は、誘惑に負けそうな人の葛藤や開放が表現されている。ベルガモットなどから始まる柑橘系の爽やかな香りかと思いきや、マテ茶やセダーの少し渋みのあるウッディな香りが顔を出してくる繊細で優美なグラデーション。すごくキャッチーな香りとはいえないが、刺さる人には深く刺さるアーティスティックな香り。今回の初上陸でぜひ試して欲しい。
\ 試してみた! /
「アジアを拠点としている調香師の方が世界で評価されているのはすごく嬉しいですね。そういったバックグラウンドを知ったうえでこの香りを試すと、よりグッと惹かれるものがあります。香り自体はすごく繊細かつ優美な印象を受けました。柑橘系の爽やかさの中にウッディな暖かさやパチョリのスモーキーな落ち着いた香りなど、華麗なグラデーションが鼻を楽しませてくれます。タバコの誘惑に負けていく男…そのシーンが思い浮かびました(笑)」(メンズノンノモデル樋之津)
8.ラニュイ パルファン
シャコンヌ オードパルファン
どんなブランド?
音楽が大好きな日本人の主宰者による、現存のクラシック音楽を香りで表現したブランド。時と共に移ろい消え、記憶にしか残らない儚さが音楽と香りの共通点。それこそが最もラグジュアリーであるとし、名曲を香水に編曲している。ブランド名はピアノ音楽史上最難曲と言われている『夜のガスパール(Gaspard de la nuit)』から。このブランドは楽曲を聴きながら香りを肌にのせ、五感で楽しんで。
どんな香り?
今回の「シャコンヌ オードパルファン」はサロン ド パルファンでの先行発売。テーマになっている『無伴奏バイオリンパルティータ 第2番 第5曲 シャコンヌ』はひとつのテーマを徐々に変化させながら12〜15分演奏され、ヴァイオリンのみで宇宙的な世界が繰り広げられる名曲中の名曲の一つ。香りはアルデヒドやフランキンセンス、パチュリなど王道の香料が使用されたモダンな仕上がり。徐々に変化していく曲とマッチした華やかながらも無骨さがある香りは、つい目ではなく鼻が離せなくなってしまうほど癖になる一本だ。
\ 試してみた! /
「第一印象はアルデヒドチックなスッと鼻通りが良い香り。そこから徐々に王道の香料が顔を出してくるの。試した瞬間頭に浮かんだのは誰もいないコンサートホール。無機質ながらもどことなく聞こえてくるシャコンヌの方に誘われていくかのような香りに夢中になりました! 好みが分かれる香りだとは思いますが、背景を知ると見え方が一気に変わってくると思います。音楽好きな方は、ぜひこのフレグランスシリーズを試してみてください」(エディター川上)
サロン ド パルファン 2024は
10/16から会期スタート!
香水の沼にハマりたいなら見逃せない
今回ご紹介した8ブランドのフレグランスのように、作り手の顔が見えたり、ブランドの背景を知れたりと、普段とは違う香りの選び方も体験できる香水の祭典。これほどの豊富なラインナップを一同に試せるイベントはなかなかないので、自分が心から惹かれる香りをぜひ「サロン ド パルファン 2024」で見つけてみて。
サロン ド パルファン 2024
【本館】
■会期:
本館6階 催物場
2024年10月16日(水)~10月21日(月)[最終日18時終了] ※16日はエムアイカード会員限定の特別招待日。一般会期は17日からのスタート。
その他のフロア
2024年10月16日(水)~10月22日(火)
■会場:
伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
https://meeco.mistore.jp/contents/magazine/salondeparfum/index.html
【メンズ館】
■会期:
2024年10月16日(水)~10月29日(火)
■会場:
伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション・コスメティクス
https://www.imn.jp/post/108057206934
※メンズ館での展開会期はブランドによって異なるので、上記のWEBサイトで確認を!
※数に限りがある商品もあり、会期中に品切れとなることもあります。
Photos :Ibuki Tamura Text : Takuma Kawakami
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