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重いウエイトを持ち、食事制限、時間も奪われる……。そんなつらい思いをしてまで、なぜ人は筋肉を鍛えるのか? 筋トレ歴7年の野田クリスタルさんが解説する。
人はなぜ筋トレにハマるのか
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人生はままならぬことだらけ。
でも筋肉は絶対に、キミを裏切らない
PROFILE
野田クリスタル●1986年11月28日生まれ、神奈川県出身。2007年、相方・村上とともにマヂカルラブリーを結成。2020年、「R-1ぐらんぷり」&「M-1グランプリ」の二冠を達成する。2021年4月、Nintendo Switchより『スーパー野田ゲーPARTY』が発売予定。
お笑い界が立証している!
マッチョの時代はすぐそこに
筋トレを本格的に始めたのは2014年。じつはその数年前にも、ダウンタウンの松本さんに憧れて体を鍛えたことがあったのですが、ファンの方の反応がすこぶる悪く(笑)。芸人仲間にも酷評され、すぐに断念したんです。それでもまだ、心の片隅で憧れてたんでしょうね。ひとり暮らしを始めた家の近くにジムがあり、のぞいたら、ちょうど筋肉量が1㎏増えるたびに1,000円キャッシュバックされるキャンペーン中で。自分がどこまでできるのか、興味本位で入会してみることにしたんです。
ちなみに筋肉量の増加は1年かけて2㎏がマックスといわれているのですが、僕の性格上、1年じっくり頑張るのは無理。初日からフルスロットルで追い込み、1日3時間、週6で通い続けた結果、3か月で5㎏増えたんです。これ、冗談抜きに、生物学的に不可能な数字らしく……僕の肉体は、人類の可能性を超越したんです。キャッシュバックのために。筋トレしていることを知らなかった相方の村上は、楽屋で着替えていた僕の体をたまたま見て「何ごと?」と目を丸くしていましたね。
よく「筋トレってそんなに楽しいの?」と聞かれますが、楽しくないし、むしろつらいだけ。ただね、筋トレは裏切らないんですよ。お笑いは何年続けようが、売れる確約はありませんから。つらいからこそ中途半端には取り組めないし、頑張れば頑張るだけ成長できる。これぞ、筋トレの沼にハマる仕組みだと僕は考えています。
筋トレはゴールのない、己との闘い。意地でやめられないゲームのようなものだし、人にすすめることはしません。ただ、マッチョの時代は、間違いなくきている。松本さんを頂点に、ジャルジャル、ミルクボーイ、マヂカルラブリー……僕の「芸人はマッチョな順におもしろい」説は着々と立証されてきています。それでもキミは、筋トレをしないと宣言できますか?
野田クリスタルさんの
マッチョHISTORY
撮影/河村正和
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「筋トレを始めて約1年後の2015年6月。体重は20㎏ほど増加していますが、ほとんど筋肉なのでガリガリ」
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「さらに1年半後の2016年11月。ステージで脱ぐたび失笑されファンが激減。そう、マッチョはモテません」
Photos:Yuki Kato Composition & Text:Ayano Nakanishi
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