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プロテインと聞くと、筋トレする人が飲むものと思っている人が多いかもしれないが、正確には英語で「タンパク質」のこと。最近は関連商品が増え、コンビニでも気軽に買えるなど、健康維持や美容目的で取り入れる人も増えている。まだプロテイン生活をはじめていないというそこのキミ、今からでも遅くない。さぁ、"プロ活"をはじめよう!
教えてくれたのは…
藤田 聡教授(立命館大学スポーツ健康科学部)
テキサス大学、東京大学大学院を経て、2011年より現職。運動生理学を専門とし、主に運動と栄養摂取によるタンパク質代謝についての研究を行っている。監修本に『図解 たんぱく質の話』など。
Q. どうしてプロテインを摂ったほうがいいの?
A 体の組織をつくる材料になるから。
プロテインというと、日本では一般的に水や牛乳に溶かして飲むパウダー状の栄養補助食品のことを指して使われることが多いですが、英語で「タンパク質」のことを表します。タンパク質は、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつで、その主な働きは、私たちの体の組織をつくる材料になることです。筋肉をはじめ、血管や内臓、皮膚や髪、爪など、体の大部分がタンパク質でできていて、その総重量は体重の約30~40%にものぼります。筋トレする人だけが必要なのではなく、生命を維持するためにタンパク質は絶対に欠かせない栄養素なのです。
Q. タンパク質ってどれだけ摂ればいい?
A 1日65gが目安です。
厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」によると、1日あたりのタンパク質の必要量は18歳以上の男性で65g、女性で50gとなっています。朝昼晩の3回食べるとしたら、1回の食事で約20gのタンパク質を摂る必要があるという計算です。ただ、日本人は朝食を軽く済ませる人が多く、朝食のタンパク質摂取量はだいたい10~12gぐらいといわれています。なので、足りないぶんは意識的に追加するようにしましょう。プロテインを飲んでもいいですし、それ以外でもゆで卵1個で約6g、最近コンビニなどでよく見るギリシャヨーグルトで1カップあたり約10gのタンパク質が入っているので、どれかひとつを加えるだけで20gは簡単にクリアできます。
Q. 動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いは?
A 体を大きくするときは動物性、体を絞るときは植物性、と覚えて。
タンパク質は、大きく動物性タンパク質と植物性タンパク質に分かれます。肉や魚、卵、牛乳などに含まれる動物性タンパク質は筋肉を効率的につくり出す働きがあり、プロテインでいうとホエイプロテインが動物性です。一方、油脂が少なく、植物性タンパク質に分類される大豆や小麦は低カロリーという特徴があり、プロテインでいうとソイプロテインがそうです。ソイはアルギニンというアミノ酸を多く含み、これは脂肪を分解・燃焼する働きがあるので、ダイエットや美容の観点だとソイのほうがいいとされています。体を大きくするときはホエイ、体を絞るときはソイというイメージで覚えておくとわかりやすいでしょう。
Q. タンパク質って美容にいいってホント?
A たくさんのタンパク質が美容液代わり!
タンパク質には、筋肉も含めて古くなったものをどんどん壊して新しくつくり替えていく働きがあるので、タンパク質が不足していると、例えば肌の状態が悪くなるといったことが起こります。ある研究で、真皮(表皮の内側にあって、肌組織の大部分を占める)の厚みが厚いほど若く見えるというデータがあり、その真皮を厚くするのがタンパク質の役割です。高い美容液もいいですが、肌のハリやツヤが欲しければタンパク質をしっかり摂ることです。
Illustrations:YAGI Composition & Text:Masayuki Sawada
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