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──好感度の高いプレーンなスタイルというのは、どういったものだろう。意図やテクニックが見えてしまうと嫌みだし、かといって何もせずありのままでは到達できない。「愛される普通」をめざすなら、どんなポリシーが必要? 礼儀正しく爽やかなルックスでそのままでもクリーン男子だが、ややヘアが無難な印象の石井啓章さん(25歳・ソムリエ)が、ほんのすこしの個性でスタイルを味つけすることに挑戦する。
「ナチュラルだね」「自然体でいいね」と好意的に見られるスタイルは、何もしないことやこだわりがないのとは違う。むしろ相当つくり込んだものだ。今は時代的にもシンプルでクリーンな男子が支持されている。どんな人が好きかという質問に、「普通でいい」なんて、まるで高望みしていないふうに女の子が言うのもよく聞くだろう。だけど“好感度の高いプレーンな男子”って、そんなにいる? それが普通? と僕は問いたい。ちょっとファンタジーなんじゃないか。奇をてらったところはないけど地味でダサくもなく、清潔感があって、好感度も高い…そのうえ「普通」といっても、ちょっとこじゃれてなくちゃモテない。そんなのを何も考えず体現するのは至難の業だ。だからお手本となるファッション誌が存在してるんだけどね。
今回は、シンプルの難しさに挑んだ。オーセンティックだけど、ただクラシックなのとは一線を画す。普通だけどちゃんとおしゃれ。そんなヘアに変えてみた。街にあふれてる、やたらデザインの入った前髪…とても多いんだけど、彼の雰囲気や年齢、仕事を考えると若く浮いて見えた。そこで全体のシルエットをなるべくフラットにし、耳まわりや衿足もかなりカットした。そろそろ重いマッシュはトレンドじゃなくなってきているしね。彼の場合、ハンサムだから元のままでもモテると思う。けれどより深みのある好青年になった。みんなモテたいと思うのは大いにOK、アプローチに美学を持てたらステキだよね!
「なんとなく」のデザインからは卒業しよう!
街行く子のヘアを見て思うのが、デザインが入ってる割に、どうしてもそれにしたかった! というポリシーが感じられないこと。とりあえず入れてます、って見えるようなレイヤーは潔くなくしてみよう。それだけで見違えるから。
ニット(ジョンストンズ)¥58,000/リーミルズ エージェンシー
Hair:KANADA[LAKE TAJO] Photos:Naoya Matsumoto Stylist:Shun Katakai
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