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おふたりに、初めての監督役を通して目にした情熱と夢にあふれるアニメの世界について聞いた！
最高の物語を描くためにひとつずつ
クリエイターの力を重ねていく
日本が誇るコンテンツとして、国内外から大きな注目を浴びるアニメ。現在、毎クール50本以上の新作が生まれ、その市場規模は約2.5兆円に上るという。５月20日に公開される映画『ハケンアニメ！』では、そんな群雄割拠であるアニメ業界を舞台に、公務員から転職したアツい新人監督の斎藤瞳と、かつて伝説的な作品を手がけるもスランプに陥った天才監督・王子千晴が、No.1＝覇権を巡る熾烈（しれつ）な闘いが描かれる。話題や人気を集める頂点をめざし、悪戦苦闘する２人の姿を追う中で、観る者もまたリアルな制作現場を体験し、心を燃やす。その実、本作でアニメ監督を演じた吉岡里帆さんと中村倫也さんが見たのは、熱量が高く、ドラマに満ちたプロの仕事現場だった！
吉岡 アニメ監督役を演じてまず感じたのは、チェックしたり管理したりする作業や工程が多いということ。監督のタイプにもよりますが、脚本や絵コンテなど自分で手を動かす仕事をしながら、原画、色彩設計、アフレコ、編集など、各クリエイターとの連携を図って最高の作品をめざしています。ゼロからイチを頭の中から現実に生み出す中で大変なことも多いけど、制作スタッフを信じて、みんなで力を合わせて作品を完成させようと行動する姿は、仕事人として本当にカッコいい。
中村 そうですね。でも、その分監督という仕事は孤独でもあると個人的には思っていて。自分が動かないと現場が進まないし、周りからの期待を受け止めて、それを超えていかなくてはいけない。僕が演じた王子を見ても、自分との闘いが一番大変なのかもしれない。
吉岡 瞳はアニメに対して熱量が高い一方で、コミュニケーションに不器用な面もあって。一度、吉野（耕平）監督に「周りのスタッフに、もう少し柔らかい言葉で話してはダメですか？」といった相談をしたときに、とても印象的なお返事をいただいたんです。「監督とは、嫌われても拒否されても、自分がどういう作品を作りたいか伝えていく立場なので、優しい表現を意識せずに不器用のままでいいんです」とおっしゃっていて、瞳の人物像としてすごく納得しました。
30分に込められた無数の工程と
たくさんの思いに驚くばかり
中村 『ハケンアニメ！』は、実写の本編に加えて、王子が監督しているアニメ『運命戦線リデルライト』と瞳が手がける『サウンドバック 奏の石』の３本の作品を同時に作ってるってことですよね。アニメの現場を知ってしまったから、勝手にハラハラしてしまって（笑）。
吉岡 アニメも映画も、ひとつ作るのにたくさんの人が、膨大な時間と労力をかけていますからね。YouTubeで二つの作品の予告編が観られますが、本当にクオリティが高すぎて、監督に「全編放送してください！」ってお願いしたら、「お金も時間もかかるので、そう簡単にはできないんです」って……。
中村 そう。だから、本作の予算はいったいどうなってるのかなって心配（笑）。
吉岡 確かに気になりますね（笑）。今回、瞳を演じるにあたって、映画『魔女見習いをさがして』を手がけたアニメ監督の鎌谷悠さんにご指導をいただいていたのですが、大量の原動画とそれが映像になったシーンを拝見したときに、鳥肌が立ちました。あの量で一瞬なんだって。監督が絵コンテを、アニメーターが原画や動画を描いているシーンもありますが、実際に線を描いて表現するってすごいことだと感動しました。なので、監督にはもう無理なお願いはしません（笑）。
中村 この作品に出演して、どうやって１話30分のアニメシリーズが作られているか具体的に知ることができて楽しかった。それと同時に、あまりの忙しさに、僕だったら５分で音を上げそうだなと（笑）。さらに、アニメの制作だけではなく、その先にグッズを作る、宣伝をするといった、作品に関わるいろいろな人の思いが集まって、ひとつの作品ができているということを、役を通して改めて考えることができました。
吉岡 日々観ているアニメのスタッフさんに、感謝の気持ちでいっぱいです！
『ハケンアニメ！』
直木賞作家・辻村深月の大人気小説を映画化！ 夢の監督デビューが決定した斎藤瞳（吉岡里帆）と、瞳も憧れる天才・王子千晴監督（中村倫也）。最も成功したアニメの称号＝「ハケン（覇権）」を手にするのは、どちらのアニメだ!? 究極の“胸アツ”お仕事ムービー！
５月20日（金）より全国公開
配給：東映 監督：吉野耕平
出演：吉岡里帆 中村倫也 工藤阿須加 小野花梨 柄本 佑 尾野真千子
原作：辻村深月『ハケンアニメ！』（マガジンハウス刊）
RIHO YOSHIOKA
1993年生まれ。2015年度後期のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で注目を集める。主な出演作に映画『見えない目撃者』『ホリック xxxHOLiC』、ドラマ『レンアイ漫画家』『しずかちゃんとパパ』など。
TOMOYA NAKAMURA
1986年生まれ。近年の出演作に、ドラマ『珈琲（コーヒー）いかがでしょう』、映画『ウェディング・ハイ』など。主演ミュージカル『ルードヴィヒ〜Beeth oven The Piano〜』の上演が10月に控える。
Photos:Tohru Yuasa Hair & Make-up:Conomi Kitahara[KiKi](for Ms.Yoshioka) Emiy[SET](for Mr.Nakamura) Stylist:Maki Maruko(for Ms.Yoshioka) Arata Kobayashi[UM](for Mr.Nakamura) Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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